日野・前島「光物性理論」研究室

研究内容(高校生、大学学部程度対象)

現在の研究テーマ

原子・分子レベルのミクロな現象が高精度で見えるようになったという研究が時折新聞やTVで取り上げられ話題になることがあります。 このような高精度測定を可能にする役者は「光」で、物理や化学のような精密科学の進歩はこの「光」なくしてあり得ません。 しかしながら、ここで主役になるのは物質であり、光は測定の手段としての脇役に過ぎません。 そこで、当研究室では、光自体が主役になる新しい物理現象の発見を目指し、量子力学などの理論とスーパーコンピュータを駆使した研究を行っています。

舞台になるのは半導体、量子ナノ構造、分子性結晶、遷移金属酸化物などであり、光の強さや周波数などを適切に制御してこれらの物質に照射すると、 例えば、元々絶縁体の物質が金属、半導体、磁性体の性質を示すなど、従来にない多彩な物質制御の可能性があることが分かってきました。 これは、元々の状態を光によって“好み”の状態に自在に変えてしまう研究で、まさに「光」が中心的な役割を担っています。

これらの系・物質に光を当てることでなぜ物性が変化するのか、更には 光を当てることで我々の望み通りの性質を引き出すにはどのようにすればよいか、などの問題を理論的に明らかにすることが我々の目的です。 特に、計算科学研究センターの超高速演算加速スーパーコンピュータ(Cygnus)などを利用した大規模な数値シミュレーションを行うことにより 信頼性の高い理論的予測を行っていきます。