温和な条件での芳香族チオアミド合成法の開発


 チオアミド化合物は、単体硫黄とアルデヒド、アミンの三成分の縮合反応(Willgerodt-Kindler反応)により容易に合成することができます。しかしながら、アニリンのような芳香族アミンを用いた場合、アミノ基の求核性が低いために、従来の合成法では反応はほとんど進行しません。我々は、Willgerodt-Kindler反応を使って芳香族ポリチオアミドや多座配位子等の機能性分子の分子設計を展開することを目的とし、この反応の適用範囲の拡張を検討しました。その結果、硫化ナトリウムのような塩基を触媒として添加することによって、比較的温和な条件で各種芳香族チオアミドが効率よく生成できることを明らかにしました。


  この反応は種々の芳香族チオアミドの合成に適用可能であることから、今後、多様な機能性分子の設計・開発への利用が期待されます。
 (参考:本合成法がOrganic Chemistry Portalに紹介されました)

研究内容

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