水素結合によるピンサー型金属錯体の集積化
近年、金属イオンや錯体に特異的な形態や高次の集合形態を持たせることにより、分子単独では実現不可能な、多様な複合電子構造や空間構造を構築することが可能になってきています。
私たちは、チオアミドやホスフィンスルフィド基を有する新しいタイプのピンサー型金属錯体の構築と機能開発を進めています（参考）。これらの研究において、チオアミドの陽子供与性を利用することによりピンサー型Pd錯体が特徴的な自己集合体を形成することを見出しました。
メタノールから形成するシート状分子配列
アセトニトリルを取り込んだかご型分子配列
今後は、発光機能や触媒機能などピンサー型金属錯体に特有な性質を集積系に展開することにより新物質・新機能の開発が期待されます。
